2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

石川達三『生きてゐる兵隊』

石川達三『生きてゐる兵隊』。まぁ、発禁になるよね。むしろ、これを出しちゃう、という判断をした『中央公論』に驚きます、って、明治以来の「常連」誌なんだよね……

長嶋有『タンノイのエジンバラ』

ひゃあ、長嶋有『タンノイのエジンバラ』、素晴らしい。文庫で1冊読んでいて、なんとなく良い感じだったのだけれど、特に表題作は、スマッシュ・ヒット。こういう短編、好きです。それと、各編とも、出だしが秀逸!最高なのは「夜のあぐら」の「姉と二人で…

貴志俊彦・荒野泰典・小風秀雄編『「東アジア」の時代性』

まぁ、なんというか、品がないほどのブームである「東アジア」について、こちらはふさわしい入門書貴志俊彦・荒野泰典・小風秀雄編『「東アジア」の時代性』を読む。っていうか、ポスト・コロニアルはもういいの!?

安藤忠雄『建築に夢をみた』

安藤忠雄さんの、口当たりの良い『建築に夢をみた』を読む。建築については勿論興味深く書いてあるのだけれど、何より、やさしい人柄のよくあらわれた良い本です。

『ロボット・カミイ』

甥や姪たちと、ひさしぶりに、子ども図書館by安藤忠雄に言ってきました。あまりにもなつかしい『ロボット・カミイ』に耽溺、じゃなくて、を耽読、はい。──ああ、この昨日との落差!

G・C・スピヴァック『ある学問の死』

「比較文学」について考えねば、と思って、知ってて(2度目です、読むの)G・C・スピヴァック『ある学問の死』から読み出す私って……。この後、入門書みたいなのを読む予定、ははは。

『続・藤井貞和詩集』

まとめて藤井貞和の詩を読むのは、実は初めてで、いろいろ驚きましたが、お目当てはもちろん(?)、太宰治の「清貧譚」をモチーフにした作品でした。詩という言語芸術の中で、かくも美しく〈涙〉が書けるのだと、素直に感動する。

『〈アメリカ演劇〉歴史と現在』

某所にて安いので買ってしまう。その日読まないとどうせ読まないので、眠いけれど全部読んでしまう。あの翻訳で著名な外岡尚美さんをはじめて写真がみて、それが一番印象深かったです。

吉行淳之介『原色の街・驟雨』

吉行淳之介は折々読み返すのだけれど、文字通りの「初期短篇」は久々の再読。『原色の街・驟雨』を、ほどよい緊張で読むことが出来ました。

高橋源一郎『文学じゃないかもしれない症候群』

第4弾。高橋源一郎『文学じゃないかもしれない症候群』、そうだね、じゃないかもね(笑) 言文一致や精神分析について、多くのことを学んだかもしれない。じゃないかもしれない。

高橋源一郎『文学王』

第3弾。高橋源一郎『文学王』、ここにあるのは、皮肉ではなく、コケにしているのでは決してなく、ただひたすらに「愛」なのである。伊藤比呂美さんのことを書いた箇所が1番好きですね。

高橋源一郎『文学がこんなにわかっていいかしら』

第2弾。高橋源一郎『文学がこんなにわかっていいかしら』、初読は、1992年のもよう(文庫発売時)。昨日のが、短くていかに書けるかだとしたら、こちらは分量があると、どれほど面白くできるか。ううむ、すごいのである。

高橋源一郎『人に言えない習慣、罪深い愉しみ』

第1弾である。(何が、というのは、いずれわかるかと……) 順序は、部屋から発掘された順で、高橋源一郎『人に言えない習慣、罪深い愉しみ』から。ほとんど内容に触れずにいてもよみたくなる、不思議な書評。本当にたくさんの本を読みたくなって困る。

『21世紀文学の創造①現代世界への問い』

『21世紀文学の創造①現代世界への問い』、ちょこちょこ読んだものがあるけれど、古書で買ったのでちゃんと読む。ええと、やっぱり作家が何か言うって難しいですよね。どうしても理屈は先が見えてしまう。小説だと、驚くくらいのものを書くこともあるにもかか…

『前田愛対話集成Ⅰ闇なる明治を求めて』

早々に買ったのだけれど、情けないかな、ようやく『前田愛対話集成Ⅰ闇なる明治を求めて』読了。要を得すぎた解説に本文の豊かさを逆に感じたりもした。

『アフォーダンス 複雑系の科学と現代思想』

佐々木正人・松野孝一郎・三嶋博之による『アフォーダンス 複雑系の科学と現代思想』、なるほどわかりやすくて、もうちょっと薄くてソフトカバーだとなおいいのに。

外間守善『沖縄学への道』

岩波現代文庫で外間守善『沖縄学への道』を読むが、よく読むと書いてあるんだけど、思った内容と違って、文字通りタイトル通りで、いささか肩すかしを食らう。

伊藤比呂美『ラニーニャ』

あああ、ずいぶん離れてしまっていて、雑誌のエッセイとかは折々読んでいたのだけれど、ひっさしぶりに伊藤比呂美読みましたよ、小説『ラニーニャ』。この、なんともいえない贅を尽くされたかのようなそれでいて、シンプルな言葉たち、うん、素晴らしい。

『世間学への招待』

世間学会というのがあるそうだが、『世間学への招待』なら、単著の新書の方が面白かったかな、攻撃的で。

柄谷行人『近代文学の終り』

ずいぶんはやくに、随分安く手に入れていたのだけれど『近代文学の終り』で久々に柄谷行人を読む。カバーの写真気になってみたら、港千尋さんでした。

久保田万太郎『春泥・三の酉』

ちゃんと恥ずかしがった方が良いと思うんですが、久保田万太郎って、初めて読みました。「大正ロマン」(佐藤春夫?)みないなイメージしかないんですけど、間違ってます? さしあたり、文庫で『春泥・三の酉』を読み、ぬべーっとした情緒的な文体にふれてみ…

大野晋『日本語練習帳』

どうにもベストセラーを素直に読めないのですが、大野晋『日本語練習帳』を手に取りビックリ。最初は、「練習帳」ってところで売れたわけでしょ? と思ったら、中盤以降、ぐぐっと読ませます。『斜陽』の敬語があやしいということも確認できて大満足。

目取真俊『沖縄「戦後」ゼロ年』

目取真俊『沖縄「戦後」ゼロ年』、読み続け、考え続けていくしかない。です。

内田樹『街場の現代思想』

内田樹『街場の現代思想』は、なるほど、1ひねりした分、ことの本質を「えぐりだした」ような感じがするのだけれど、こうした発想=語り口=書き方の問題点は、「1ひねり」のところより「先」や、それで捉えきれない複雑さに対してたいへんに無力というと…

島田雅彦『退廃姉妹』

永遠の青二才、島田雅彦による『退廃姉妹』。っていうか、お前がタイハイしてるよね〜、みたいな。うん、でも、面白かった。by福武時代からのファン

羽仁五郎『日本人民の歴史』

羽仁五郎の『日本人民の歴史』を、かわった形の岩波新書でよむ。なんてったって、ハードカバーなのですよ。

十川幸司『精神分析への抵抗』

今でも、リブロで新刊平積みだったことをよく覚えている十川幸司『精神分析への抵抗』だが、もうずいぶんの苦労をして手に入れる。Amazonあたりだともうでてない模様。「力強い思考」にして、(内容ではなく)わかりやすく書かれた文章も魅力的。しばらく、…

永井荷風『浮沈・来訪者』

永井荷風の戦後発表作『浮沈・来訪者』を読み返す。「浮沈」のだらだらぶりは、あいかわらず好ましく、今回は「戦中風俗」に注意しながら読む。「来訪者」は、昨今の某スーパーエディターのことなどを思ったりしました。

黒崎政男監修『情報の空間学』

黒崎政男監修『情報の空間学 メディアの受容と変容』を、1年以上かけて読み終える。なんというか、当時、旬だった本が、分野が分野やなだけに、またたくまに微妙な位置しか保ち得なくなってしまった、そんな書物ですねぇ。最後に、香山リカさんがそのことに…

ロラン・バルト『批評をめぐる試み1964』

いわゆる、『エッセ・クリティック』ですね。ずうっと我慢していたのだけれど、結局我慢できずに、『ロラン・バルト著作集5 批評をめぐる試み1958-1964』、吉村和明訳を買ってしまいました。例によって、線引きまくり。「序文」からやってくれます。例えば…