2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

森鴎外『雁』

8月の終わりに、今月ひたすらん読んできた森鴎外から、『雁』を1936年の岩波文庫で再読。岡田・お玉/語りばかりでなく、場所・土地や末造夫妻なども含めた作品世界は、まだまだ色々考えられそうな気もします。

中野重治『森鴎外 その側面』

初版で中野重治『森鴎外 その側面』を読む。なんというか、多くの人が論及する鴎外の中で、これってなかなか「中立」的なのかもしれない…

西川長夫『〈新〉植民地主義論』

相変わらず着実に仕事を続ける西川長夫の『〈新〉植民地主義論』を読む。講演録。植民地主義がモードなどではなく、今なお考え続けるべき課題であることを確認。

吉田修一『東京湾景』

久々に読んだ現代小説は、吉田修一『東京湾景』になりました。素朴に読みたかったのに、何気に作中作と(物質としての)書物の外延につけられたタイトルが同じで…って、そういうこと気にしなきゃいいんですが。なかなかよかった。と思う。

郡継夫『太宰治―戦中と戦後』

なんか最近この手の本が多くて、ほんとは最近の小説とか読みたいんですけど…郡継夫『太宰治―戦中と戦後』も、あまり私にはピンときませんでした。

パトリシア・ウォー『メタフィクション』

この手の本って、遠ざかってから、気になるのよね、ってことでパトリシア・ウォー『メタフィクション』、ていねいに読みました。古本にはいつめぐりあえることやら…

藤本英夫『知里真志保の生涯』

鎌田哲哉の評論を読んで盛りあがったところで、藤本英夫『知里真志保の生涯』にめぐりあい、即買い即読んだ。

佐々木啓一『太宰治論』

この夏、おそらくは「処分品」としていただいた佐々木啓一『太宰治論』通読、うーむ、贅沢な紙の使用法なのである。

野上豊一郎『翻訳論──翻訳の理論と実際──』

小林秀雄が褒めていたので、ずいぶん古いのですが野上豊一郎『翻訳論──翻訳の理論と実際──』を拝読し、アカデミックな気分に浸ってみました。

杉田敦『境界線の政治学』

個人的に大変「信頼」申し上げている杉田敦の書物、『境界線の政治学』を、最近起こった某事件のことなど考えながら熟読。

安田敏朗『統合原理としての国語 近代日本言語史再考 (3)』

安田敏朗『統合原理としての国語 近代日本言語史再考 (3)』も引き続き読む。終章で自らまとめた10年間の軌跡は圧巻! この章だけでも必読です、便利だし。

武田泰淳『わが子キリスト』

井口時男の解説がまた「深さ」とかいってて凡庸だなぁと思ったけど、自分も武田泰淳『わが子キリスト』読んで太宰治のことを考えてた…

岡真理『棗椰子の木陰で―第三世界フェミニズムと文学の力』

岡真理の久々の単著、『棗椰子の木陰で―第三世界フェミニズムと文学の力』を、期待を持って読み、期待を超えた面白さを感じて勉強。そして、この独自の位置からの「文学」への信頼の力強さも再確認。

安田敏朗『辞書の政治学 ことばの規範とはなにか』

相変わらず単行本を書き続けている安田敏朗の『辞書の政治学 ことばの規範とはなにか』を、しかし紋切型としてではなく刺激的な議論として拝読。

黒川創『国境』

古書店で買って、マックで即読みした黒川創『国境』は、『リアリティ・カーブ』以来。この「ゆるさ」は、あいかわらずあまり好きになれません…

苅部直『光の領国 和辻哲郎』

数年前に読む期を逸していた苅部直『光の領国 和辻哲郎』を読み、噂に違わぬそのレベルによい刺激を受ける。

中村光夫『仏蘭西紀行集 戦争まで』

ずうっとほしかった(それもどうかと思うけど、)中村光夫『仏蘭西紀行集 戦争まで』、まずは斜め読みでその仏蘭西への愛をいやというほど感じてみました。

上野千鶴子『ナショナリズムとジェンダー』

上野千鶴子『ナショナリズムとジェンダー』、久々の通勤時間帯(わたしは「通勤」ではない)の朝の電車で拝読、それにしても名著で、彼女の中でも屈指の「古典」。

井上清『天皇制』

刊行年に興味を持ち、井上清『天皇制』を読むも、新書なのに論文集、これいかに。でも羽仁五郎の新聞記事のことなどを知り、勉強になる。

田中和生『新約太宰治』

田中和生『新約太宰治』、端的に、「最前線」を降りることで、そして不勉強を「新しい批評」と強弁することで、ようやく市場と折り合ってみせるという、不愉快この上ない書物。30過ぎなんだから、バルトくらい、ちゃんと読めるようになりなさい(怒)

本多秋五『物語戦後文学史』

本多秋五『物語戦後文学史』を一気に流し読みする。戦後文学の「おわり」をめぐる議論に注目。

梅田望夫『ウェブ進化論』

ずいぶん遅れてだけど、梅田望夫『ウェブ進化論』読んでみる。へー

岩下明裕『北方領土問題』

概説的なことが知りたくて読んだ岩下明裕『北方領土問題』ですが、自説の展開がメインでした。ま、いいけど。

倉沢愛子『「大東亜」戦争を知っていますか』

8月というわけではないのだけれど、『岩波講座アジア・太平洋戦争』全8巻を入手した記念に(って、バリバリ8月ですね…)、倉沢愛子『「大東亜」戦争を知っていますか』を読む。テーマ云々以前に、どうしてもこういう語り口は苦手…

水上勉『宇野浩二伝』

水上勉『宇野浩二伝』を、ちょーあつい水上勉全集でナナメ読み・とばし読みで、なんとか通読、宇野浩二が、ちょー困ったちゃんであることを知る、っていうか確認。

大澤真幸『戦後の思想空間』

カバーのない本だけれど、折に触れて読んでます。大澤真幸『戦後の思想空間』、今回は、「忘却」のテーマを中心に読み直す。

野上弥生子『海神丸』

野上弥生子『海神丸』、なんと初読。どうしてこういう素材になると、方言で書かれるのか。

岩上順一『歴史文学論』

岩上順一『歴史文学論』、にしても、この時代に、鴎外への全力のリスペクトはすがすがしくさえあるよ。

川上弘美『卵一個ぶんのお祝い。』

久々の川上弘美なのである。風呂上がり、じゃなくてプール上がりに『卵一個ぶんのお祝い。』を読んで、たいへんなごんだのであった。

吉見俊哉『博覧会の政治学』

もっと理論的な印象が強かった吉見俊哉『博覧会の政治学』を、久々に読み、思いの外実証的であることに驚く。