2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

岸田國士『従軍五十日』

ひときわ異彩を放っている岸田國士『従軍五十日』、確かに日本(国家/民族)を中軸にとらえた思考ではあるけれど、なんか強度があるんだよね。

『西脇順三郎詩集』

岩波文庫で、『西脇順三郎詩集』を読む。うーん、散文的な僕は、詩より、詩論の方がすきなのかもしれません…

宮沢章夫『『資本論』も読む』

古本で買った、宮沢章夫『『資本論』も読む』を読んで、その思考/文章にはそれなりに興を感じたものの、あんまりにも舞台がひどいので、再び「市場」に送り返すつもりです。これって、この本に実にふさわしいのよね、きっと。

上田廣『黄塵』

ってことで、上田廣『黄塵』をgetして読む。蚊が押し花のようにして挟まってたんだけど、いつからいたのかなぁ。まさか、1938年?

丸川哲史『日中一〇〇年史』

丸川哲史『日中一〇〇年史』は、「です・ます」調で書かれ、しかも啓蒙に安住しない、たいへん誠実な書物で、早く読むことを拒む、ねばり強い文体=思考に支えられています。1日でも早く読むべきだったと、悔やまれます。

火野葦平『革命前夜』

渾身の作というのは、こういうのを指す言葉だと思い至りました、火野葦平『革命前夜』読了。

都築久義『戦時体制下の文学者』

都築久義『戦時体制下の文学者』、何年か前にはささーっと読んだのだけれど、よく読むと、そもそも窪川鶴次郎で章が立っている所など、予見所満載でした。早速『昭和十年代文学の立場』をget。

吉本ばなな『N・P』

うろうと思って整理していたのだけれど、未練がましく吉本ばなな『N・P』を読む。十代の頃、浅草で買ったことを鮮明に思い出してしまい、物語内容ともども、せつなくなってみました。

中原昌也『子猫が読む乱暴者日記』

河出文庫の中から、著者風に云うならば、よりによって中原昌也『子猫が読む乱暴者日記』を読んでしまう。「あとがき」よりは、「戦う意志なし、しかし、殺したい」とか読んだほうがいいと思うけれど。

高階秀爾『ピカソ 剽窃の論理』

高階秀爾『ピカソ 剽窃の論理』のような本を文庫で出すちくま学芸文庫は、偉いと思う。時代的な限界はあるにせよ、おそらくは挑発的であったろう「剽窃」をていねいに語り、しかも歴史にも配慮した好著。

高橋源一郎『文学じゃないかもしれない症候群』

ちょっとあいてしまいましたが、高橋源一郎『文学じゃないかもしれない症候群』読みました。どこもかしこも〈戦後〉のことを語っていて、成田龍一は早くから〈戦後〉の語られ方分析をしていたけれど、いくつか、視座のヒントを得た感じだけれど、実はやっぱ…

都築久義『戦時下の文学』

この間、吉屋信子や白井喬二をはじめとして実に多くの「支那事変」ルポを読みましたが、そろそろ抜け出したい、というか、降りたいと思います。コンパクトな見取り図として都築久義『戦時下の文学』は大変重宝。

高階秀爾『近代絵画史(下)』

高階秀爾『近代絵画史(下)』、こちらは目下の関心に即して、ドイツ表現主義とキュビスム(ピカソ)あたりを入念に読む。──「伝統は美しい。しかし美しいのは伝統を創ることであって、伝統に生きることではない」というマルクの言葉。

高階秀爾『近代絵画史(上)』

たいへん俗っぽくて申し訳ないのだけれど、高階秀爾『近代絵画史(上)』を手にして、著者の輝かしすぎる略歴に深く感興を催してしまいました(苦笑)

永井均『「私」の存在の比類なさ』

ずうっと気になっていた永井均さんの仕事のうち、『「私」の存在の比類なさ』を初めて読む。こういうハタケの本を読む乃久しぶり知でずいぶんと疲れましたが、この後いろいろ読みたいものが出てきました。

橋本治『ちゃんと話すための敬語の本』

橋本治さんの本を、久しぶりに「ちゃんと」読む。なんというか、『ちゃんと話すための敬語の本』というタイトル通りの本なのでした。

火野葦平『麦と兵隊』

ここまで買わなかったのだけれど、結局オビの誘惑に負けて火野葦平『麦と兵隊』(1938)を買ってしまう。(うーん、もうちょっとねばっとけよ、俺…)相変わらず、「通読」するとたいへん眠気を催してしまうのである……不思議な70年前のベストセラー。

鷲田清一『「聴く」ことの力』

鷲田清一『「聴く」ことの力 臨床哲学試論』、予想していた内容とずいぶん違いましたが、相変わらず読みやすく、いろいろと手掛かりになったような気がします。

北上次郎『情痴小説の研究』

北上次郎『情痴小説の研究』をだらだら読む。某ブログでみて、ずうっと気になっていました。ちょっと、吉行淳之介について読みたかったのですが、きづいたら、岩野泡鳴が一番再読したくなったという、最悪に耽溺系(?)なわたし…

島田雅彦『エトロフの恋』

なんとか、無限カノン3部作、島田雅彦『エトロフの恋』まで読み終える。うーむ、いきなり心境小説なのである。終わり方は、島田雅彦らしくなく、うまいというか、きれいというか、余韻たっぷり、露悪なし。

島田雅彦『美しい魂』

無限カノン中、最も「好き」な島田雅彦『美しい魂』。中盤以降、やっぱりなかなかいいなぁ、と思いました。

島田雅彦『彗星の住人』

ついに「無限カノン」再読を決意(?)島田雅彦『彗星の住人』は、本当に三島ぶりの「禁忌の/と恋愛」。歴史の語りについての議論をたいへんよく勉強している模様。

安田武『定本 戦争文学論』

なぜか探すのに苦労してしまった、安田武『定本 戦争文学論』。「定本」で読むのは始めて。今回は「戦争文学」についてというよりむしろ「新体制」について、多くを教えられる。

板垣直子『現代日本の戦争文学』

なんかもう、製本とかボロボロなんだけど、とにかく慎重に読み通す。宮本百合子の「昭和の十四年間」と併読して、「渦中」ということについて思いをめぐらす。

平田オリザ『「リアル」だけが生き延びる』

平田オリザさんによれば、『「リアル」だけが生き延びる』のだそうだ。根本的な疑問は、「りある」がなぜそんなに価値づけられている、っていうか、られるべきものとして前提されちゃうのかってことなんですけど、も、ね…

渡邊一民『岸田国士論』

渡邊一民『岸田国士論』再読。じっくり時間をとって、全集でも読みたいところです。渡邊一民さんの仕事は、ここでも光っているようです。

高橋康也『道化の文学』

当時(いつだろう?)、「道化」ってのにはおなかいっぱいな感じでしたが、改めてよむと読みどころが割とありました。

日比野士朗『呉松クリーク/野戦病院』

日比野士朗『呉松クリーク/野戦病院』を中公文庫で。某氏は、この「静謐さ」に人柄をみるよう説いているのだけれど、どうも、それは、難しい模様。いろいろなものを続けて読んでいる今、淡泊な印象は否めない。

林芙美子『北岸舞台』

林芙美子『北岸舞台』を、中公文庫の【伏字復元版】という凄いネーミングのエディションで読む。日記体なんだけどね、やっぱり違うんだよね。何と? あれと。 * 「塩梅」という柏のお店でトンカツを食べました。絶品です。コストパフォーマンスは、ちょっと…

安藤忠雄『連戦連敗』

安藤忠雄『連戦連敗』は、とにかく、「勇気」をもらえる本です。構想力とか、歴史のこと、それから挑戦し続けること。調和と、対峙。