2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『国境を越える歴史認識』

ようやく読むことの出来た、話題の『国境を越える歴史認識』。構成が予想外にフォーマルでした。読み切れた感じはしませんでしたが、第Ⅱ部の前に、ずいぶんと勉強になりました

伊藤隆『近衛新体制』

伊藤隆『近衛新体制』、すごい簡潔で要を得たまとめ。米谷匡史の議論とも、うまく噛み合いそうです。

小林英夫『日本軍政下のアジア』

小林英夫『日本軍政下のアジア──「大東亜共栄圏」と軍票──』というタイトル通り、「軍票」といった観点からのアプローチで迫る。さらにはインタビューもあり。当時の地図、みればみるほど…

三谷幸喜『オケピ!』

三谷幸喜『オケピ!』、なるほどね、という感じ。新規開拓感はなく、ひたすらうまい、ということでしょう。あとがきは、ちょっとうざいなぁ…

伊藤隆『昭和十年代史断章』

伊藤隆『昭和十年代史断章』、なるほどの日記からのアプローチ、さすがです。

三浦雅士『出生の秘密』

三浦雅士『出生の秘密』は「丸谷才一の『樹影譚』を手がかりに、出生の秘密をめぐって考えてきた」という、まさにそれ以上でもそれ以下でもない、にしては、ずいぶんと厚い本。

絲山秋子『海の仙人』

絲山秋子『海の仙人』、何度読んでも素晴らしい名作です!

上野俊哉『ディアスポラの思考』

上野俊哉『ディアスポラの思考』、新書の共著者とも似たような主体形勢をうかがわせる、非アカデミシャンによる、しなやかな議論。

司馬遼太郎『歴史と小説』

司馬遼太郎『歴史と小説』を読んで、なぜか小学校の頃司馬遼太郎読んでたこと思い出してみたり…

和田伝『大日向村』

和田伝『大日向村』、ま、要するに国策移民小説小説なわけですけど、初年代の不況からのプロセスもよくわかり、かなり切ない小説でしたが、ここで終わっちゃうんだ、っていう幕切れでした。

多和田葉子『ゴットハルト鉄道』

ほんと、しゃれで書いてるのに何でこんなに素敵なの? 多和田葉子『ゴットハルト鉄道』もよかったけれど、「著者から読者へ」の文章読んで、魅力倍増!

姜尚中『オリエンタリズムの彼方へ』

姜尚中『オリエンタリズムの彼方へ』文庫でひさびさに読み、色々と啓発され、またその文体にも感心してみる。

彌永信美『幻想の東洋 上下』

驚愕の、彌永信美『幻想の東洋 上下』! ちくま学芸文庫、偉すぎる。「東洋」のM・de・セルトー? って、こんな「東洋」の用法は叱られてしまうに違いないのだけれど、思わず言ってしまいたくなります。全く読み切れた気がしないのですが、ようやく読めたし…

『富澤有為男選集』

「地中海」「ふるさと」「白い壁画」というl、謎の取り合わせの選集。ひたすら長い。期待の年譜も貧弱(涙)

納富信留『プラトン』

納富信留『プラトン』、なんというか、プラトン研究者って、みんな語り口がうまいのかしらん?

笙野頼子『水晶内制度』

笙野頼子『水晶内制度』、『金比羅』もすごかったけど、これはしなやか(じゃないけど!)にラジカルで、炸裂ですね。『森娘』まで文庫化されてるし!

岡倉天心『東洋の理想』

岡倉天心『東洋の理想』、はづかしながら初読… 思ったよりソフト(?)な感じ。

内山勝利『対話という思想 (双書現代の哲学) プラトンの方法叙説』

内山勝利『対話という思想 (双書現代の哲学) プラトンの方法叙説』、朝の清澄な空気の中読む。なんというか、たいへん京都っぽい。文章も読みやすくて、じっくりよみました。

リサ・ゴウ『私という旅』

リサ・ゴウ『私という旅』、どうなんでしょ、ほぼ単著ってことでいいと思うので。アイデンティティについての件を興味深く読む。(カルチュラル?)アイデンティティって、まだまだ練り上げる余地アリ。

中島義道『〈対話〉のない社会』

中島義道『〈対話〉のない社会』、身につまされる思いもしつつ読了。対話論というより日本文化論であり、教員哲学論的色彩が濃い。

木村一信『もうひとつの文学史』

いろんな意味で「もうひとつ」であった、木村一信『もうひとつの文学史』だが、さすが戦時下の記述は詳しく面白い。色んな仕事してんなー、Z会だよ。

別役実『ベケットと「いじめ」』

別役実『ベケットと「いじめ」』、いや、これ、スゴイ本です。ベケットの読みに関しても、目からウロコです。って、今まで何読んでたんだっていう。…

『歴史の描き方③記憶が語りはじめる』

シリーズ中ではこれた最も刺激を受けた巻なのだけれど、『歴史の描き方③記憶が語りはじめる』もまた、もう1つ、かゆいところに手が届かない感が残ったのも確かで、ちょっと時間をおいてまた読み返してみたいと思います。

伊予谷登士翁『グローバリゼーションと移民』

新書もよかった伊予谷登士翁氏の『グローバリゼーションと移民』を読んで、お勉強をした気分になる。第一人者の仕事というものの、よいお手本をみた思い。移民/難民の世紀は、これからいよいよ本格化していくのでしょう…

伊藤俊治『ジオラマ論』

(たぶんはじめて)伊藤俊治『ジオラマ論』を通読、いたく感動。松浦寿輝や吉見俊哉など目じゃない感じさえします。ガラスと鉄の件は中でも秀逸!

本橋哲也『映画で入門 カルチュラル・スタディーズ』

本橋哲也『映画で入門 カルチュラル・スタディーズ』,全然入門どころの本じゃなくて、かなり読み応えのある、ソフトな語り口の良書。

米谷匡史『アジア/日本』

ようやく読了、初の単著なんて、意外すぎますが、米谷匡史『アジア/日本』は、シリーズの中でも屈指の議論ですね。枠の単調さといいかげんさはいささか気になりますが、よい思考の契機になります。

多和田葉子『容疑者の夜行列車』

多和田葉子『容疑者の夜行列車』は旅する作家の旅する小説、同じことしか言ってませんが、素直によいものには素直な感想(?)「あなた」がこんなに嫌味じゃない小説もめずらしく、しかも、その臨界がほんの2行で示されたりもして圧巻。

リービ英雄『最後の国境への旅』

リービ英雄『最後の国境への旅』、しゃべるのみるよりも、文章の方がいいみたい。多和田葉子も登場。時間をかけたハイブリッドな「日本語」の熟成をみる思いでスリリング。

リービ英雄『日本語を書く部屋』

リービ英雄『日本語を書く部屋』、川端的/大江的な日本語に挟撃されつつも、日/米から中国へも足を伸ばし、韓国を語る中上の文章を翻訳する、その軌跡そのものが、表題の「部屋」をつくり、更新しつづけていく。