2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

小島信夫『暮坂』

小島信夫『暮坂』、今なお、渋谷で買った日のことを覚えていました。あれから10年以上、小島信夫はこうしたことごとを書き続けて、いや、それ以前からか… 合理的に解き明かしてしまえることだけがわかるということではないのだ、と彼女はいいたがっているの…

小島信夫『うるわしき日々』

文庫にまでなった新聞連載小説、小島信夫『うるわしき日々』。これは4,5度目だと思う。虚実の折り重なる皮膜の切実さは、痛々しくすらある。

『ナラティヴ・セラピーの世界』

『ナラティヴ・セラピーの世界』、小島信夫の補助線として? こんなにも社会構築主義の影響圏にある領域とはしらなんだ…

斎藤孝『声に出して読みたい日本語』

批判文しか読んだことの無かった斎藤孝『声に出して読みたい日本語』を声に出さずに読む。いろいろの疑問は解けず、出版社の慧眼?に驚くばかり

小島信夫『こよなく愛した』

『暮坂』がとても読みたくなる小島信夫『こよなく愛した』から自己言及的な一節: 〜一つのセンテンスを書いたあと、次々にあらわれてくるセンテンスに追われて、ひたすらに忙がしく、一つ一つのセンテンスが読み手に思い浮かばせるものが、前のものを裏切る…

小島信夫『名古屋・国立・各務原』

小島信夫『名古屋・国立・各務原』、たしかに、これからかという、しかしそれは私小説がどこでおわっても同じ、というのとは違ううねりが看取されます。

小島信夫『残光』

ひとり追悼ということで、小島信夫を読むことにしました(この後も)。最近の者からということにして、『残光』再読。思ったより構築的で、単なるダラダラ随筆・私小説とはずいぶん違う相貌に、改めてオドロキ、「3章」という構成がそもそもなかなかタイト。

吉田修一『パレード』

すごくいいとまではいかないのだけれど、ずいぶん読める感じでした。吉田修一『パレード』、解説に引かれて買ったのだけれどね。

笙野頼子『金比羅』

しばらく忙しかったさなか、もうろうとしながら笙野頼子『金比羅』をもうろと読む。たいへん、モードと作品世界が噛み合ったようで、覚えてないが面白かった…

小島信夫・森敦『対談・文学と人生』

出てすぐ買ったのですが、なかなか読めず、ようやく小島信夫・森敦『対談・文学と人生』に辿り着きました。コピーして読んだのはもう10年も昔、ずいぶんと印象が異なりました。

石原千秋『Jポップの作詞術』

石原千秋『Jポップの作詞術』、連載だったことを知りちょっと安心(?) 久しぶりに倉木麻衣が聞きたくなった。

笙野頼子『幽界森娘異聞』

森茉莉が好きのキライのというレベルではなかったのですね、不明を恥じます。笙野頼子『幽界森娘異聞』、強烈でした。

『リイル・アダン短編集(上)』

『リイル・アダン短編集(上)』、こういうのを文庫で出して、さらに復刊してしまう岩波書店は偉いなぁ、読んだ僕もささやかにエライとも思うけれど。

川上弘美『真鶴』

川上弘美『真鶴』を、思い入れたっぷりに読む。長編を、初出誌と単行本とでよむという、実にしばらくぶりの読書体験でした。『龍宮』的な、作家の展開をみせる、傑作です。

十川信介『二葉亭四迷論』

十川信介『二葉亭四迷論』、骨太直球、剛速球。

蓮実重彦『小説論=批評論』

厚いイメージがあって遠ざかっていた蓮実重彦『小説論=批評論』をひさかたぶりに読み返し、後藤明生の素晴らしさを確認し、石川淳についても読み落としていたところに興味を感じたりもした。

ホルヘ・ルイス・ボルヘス『砂の本』

数年来の念願(?)かなって、ホルヘ・ルイス・ボルヘス『砂の本』読了。「疲れた男のユートピア」もやっとちゃんと読めました!

笙野頼子『S倉迷妄通信』

笙野頼子『S倉迷妄通信』、噂以上の小説でした、しばらくぶりに読んだら、ずいぶんと「作風」が変わっていました…森茉莉がすきなの?

M・フーコー『レーモン・ルーセル』

豊崎光一の訳でM・フーコー『レーモン・ルーセル』を読む。文学機械について、反復について、そして『ロクス・ソルス』について(『イノセント』のはここからきてるのねん)。これは邦訳があることを初めて知る。

鴻巣友季子『明治大正翻訳ワンダーランド』

鴻巣友季子『明治大正翻訳ワンダーランド』、わかっちゃいたけれど、やはりあまり役に立たず… 読み物としては悪くないですけれど。

和田謹吾『描写の時代』

単に図書館にないので読めなかった和田謹吾『描写の時代』を古書で入手し読む。高見順から始まっているのがなんともいいし、書き込まれた鉛筆書きがはじめはうるさかったが、なかなかよいレクチャーになっていて得した感じ。

後藤明生『自分のための文章術』

後藤明生『自分のための文章術』、思っていたのと違う本でした。添削実例本で、エッセイがまぁ、面白いかなというところ。

山口俊雄編『太宰治をおもしろく読む方法』

構成・語り口ともにラフな書物である山口俊雄編『太宰治をおもしろく読む方法』を読み終える。ちょっと無理して今時の言葉が飛び交うのはいただけないが、それなりに面白く読むが、終始フキゲンにみえるT氏の存在が1番面白かったりして。

宇野邦一『反歴史論』

宇野邦一『反歴史論』、タイトルがまんまなのでなんとなく避けていたのだけれど、なかなかコンスタティヴな仕事で、小林秀雄/映画を媒介に、「歴史」を考えた好著。早速注文。