2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

岩野泡鳴『発展』

年の瀬に、何を思ったか岩野泡鳴『発展』を復刻の単行本で通読して、いろいろ酔いしれてみる。マドンナの言葉が汚いどころじゃないね、こりゃ… こんなにすごかったっけ??? 新春五部作再読か!?

大東和重『文学の誕生』

大東和重『文学の誕生』、買っちゃった&読んじゃった… そもそも、こういうタイトルでいいのかしら、だいたい〔以下略〕

成田龍一『歴史学のポジショナリティ』

チャート化や文献案内的な色彩が濃くなった分前著より「うすい」印象を持ちもする成田龍一『歴史学のポジショナリティ』だけれど、それが「学知」を問い直す視線であることに変わりなく、ネタがクリティカルになったところなどはとてもスリリングな期待通り…

四方田犬彦『ソウルの風景』

四方田犬彦『ソウルの風景』、2度目のソウル探訪記になるわけだけれど、こちらもたいへん魅力的。ハイブリッドのこととかも、最近の東アジア云々なんかよりよっぽど説得力あるしね。

多和田葉子『エクソフォニー』

久々に読み返した多和田葉子『エクソフォニー』、本当に素晴らしい。

川村湊『生まれたらそこがふるさと 在日朝鮮人文学論』

ちょっとなめてた川村湊『生まれたらそこがふるさと 在日朝鮮人文学論』ですが、こと「日本語」に関してはたいへん優れた考察がなされていました。

白石隆『海の帝国』

こういう新書がたまにあるというくらいの、読みやすく高水準の一本、白石隆『海の帝国』。東アジアブームのなかでこそ再読すべき。

張競『文化のオフサイド/ノーサイド』

張競『文化のオフサイド/ノーサイド』読みやすいけど、なんとなく、概念ハズしちゃった感じだよね。

スティーヴン・グリーンブラット『シェイクスピアの驚異の成功物語』

スティーヴン・グリーンブラット『シェイクスピアの驚異の成功物語』は、訳者やオビが語る以上に、本当に素晴らしい書物で、私にとって今年最大の収穫の1つともいえ、読んでいる時間は本当に楽しく、そして、あのグリーンブラットがこういう仕事を、「想像力…

『歴史の描き方②戦後という地政学』

『歴史の描き方②戦後という地政学』、印象はほぼ同然なのだが、こちらは上野千鶴子の論文の読み方が大変興味深い。

小島信夫『微笑』

「微笑」「小銃」「アメリカン・スクール」「星」「馬」が収められた小島信夫のまぁ、要するに初期短編集なわけですが、こんなに充実の5編を並べられる作家はそういまい。現代作家では、川上弘美くらいしか思い浮かびません。

『歴史の描き方①ナショナル・ヒストリーを学び捨てる』

『歴史の描き方①ナショナル・ヒストリーを学び捨てる』、執筆者の割りには物足りない印象です。

萱野稔人『カネと暴力の系譜学』

前著も素晴らしかった萱野稔人『カネと暴力の系譜学』、こういう語り口で書けるというのは決定的に強い。しかも、そこには強靱な思考があるし。──「カネで買えないもの、それは〈暴力への権利〉である。」に続けて、「これが十全な社会認識というものだ。」!

四方田犬彦『われらが〈他者〉なる韓国 』

何か決定的なものに出会ってしまう人とそうでない人とがいて、前者の、緊張感と思索に溢れた四方田犬彦『われらが〈他者〉なる韓国』を、2割引で買って読む。「綾の鼓」上演とはね。

成田龍一『「大菩薩峠」論』

成田龍一『「大菩薩峠」論』を「大菩薩峠」を読んだことも読む来もなく読み、予想通りの成田節を堪能する。それ以上でもそれ以下でもない。もちろん、ふつうに示唆的ではある。

三島由紀夫『潮騒』

三島由紀夫『潮騒』、高校時代以来(?)に読み返し、かつ、楽しい読みアタに触れる機会もあり、盛りあがった日でした。

富澤有為男『東洋』

初出では読んでいた富澤有為男『東洋』を、ようやく単行本で読む。わりと、あいかわらずシンプルなのでよかった。固有名は覚えにくいけれど。

富澤有為男『芸術論』

富澤有為男『芸術論』、戦争小説に関する意見などは、なかなか興味深い。

小島信夫『抱擁家族』

ずいぶん久しぶりになったけれど小島信夫『抱擁家族』を読む。そらおそろしいのは、こういうちゃんとしたふうの小説でこんなことを書いてしまうところで、随所に看られるアンチクライマックスや隙間が、ただひたすらにおそろしい。

林真理子『本朝金瓶梅』

とある興味から林真理子『本朝金瓶梅』を読む、エロいっていうか、下品なんじゃないかしら、単に???

小倉紀蔵『韓国人のしくみ』

小倉紀蔵『韓国人のしくみ』、なんというか、大胆なタイトルであるが、たててある項目は有用性が高く、それなりに興味深いのであった。

朴一『「在日コリアン」ってなんでんねん?』

朴一『「在日コリアン」ってなんでんねん?』、ちゃんとした本なのに、どうしてこういうタイトルになっちゃうんでしょうね…。

小島信夫『一寸先は闇』

小島信夫『一寸先は闇』、ああ、やっぱり、こうなっちゃうのね、戯曲とはいえ。舞台を観てみたかったものです。そして、正宗白鳥への言及ふたたび。

小島信夫『ハッピネス』

文庫にまでなったという小島信夫『ハッピネス』、たしかに、いずれも体の捩れるような絞られるような、ありきたりの男女の間に走る「危機」づくし。ようやく『別れる理由』の根っこにまで辿り着いた感じ。

小島信夫『美濃』

小島信夫『美濃』、って、漢字まで濃厚な感じがしてくるよね。いちおうここまでが目標だったので、ひとまず達成。もうちょと読むけど。しかし、もう小説でもエッセイでもないね。なんだろう、これ。

小島信夫『どちらでも』

ま、「夫婦問題」のエキスパートってことですかね。小島信夫『どちらでも』は、自注のあるとおり、戯曲なんだけどそこにまったくふみとどまらなずに小説になっていく。なんというか、一筋縄ではいかないのである。

川上弘美『ハヅキさんのこと』

小島信夫を読み続けていて並べたかったのだけれど、川上弘美『ハヅキさんのこと』、これも小島信夫。あとがきを読む限り小島信夫。川上弘美は小島信夫!だから好きなんだな、自分。どっちも、たぶん。

小島信夫『女たち』

小島信夫『女たち』、表題作を論じたS氏の評論の引用の巧みさにいよいよ驚嘆したっていうのと、例のてきとうこの上ないあとがきを堪能する。自分でも…って、すごいヒト。

小島信夫『月光』

小島信夫『月光』、ここでもひたすらに過去作品のモデルが言及され、底割れ?しながらも、筆致はすすんでいくのであった… このころのものを読むと、「十字街頭」が重要作ってことですね。

小島信夫『平安』

小島信夫『平安』、これは初読。夏目漱石『それから』の映画/小説を語る「平安」がたいへん小説家らしく面白い。