小川洋子『博士の愛した数式』

さて、ようやく小川洋子『博士の愛した数式』ですが、要するに、昨今いわれている「純愛ブーム」に、これもまたほどよく収まる小説としかいえないと思います。それが、あたかも異なる枠組で語られている(ように感じられる)ことの方が問題なのでは? 数式だから?ベタな恋愛じゃないから? 「おんなじ」です。ここに描かれた純粋性なるものこそ、古き「良き=悪しき」純文学の供給源です。文庫本で読んで最もすばらしいのは、簡潔で的を射た「解説」です。

わかりやすく、「松本清張×米倉涼子」に惹かれドラマをみだす。原作『けものみち』も読んでみようか知らん。