太宰治『人間失格』の冒頭

またしても、小川洋子をさしおいて、ダザイくん。で、太宰治『人間失格』なわけですけど、今回は手掛かりになりやすい結末部ではなく、写真3枚の冒頭に注目。この「写真の読み方」は気になります。表層と深層を階層化して、さらに、鑑識眼の有無と、分析時間の長短を問題化している。こうした細やかさの一方で、写真から当人への回路はいたって単純。なんなの、この「私」って……