小島信夫『女流』から

結局、小川洋子を途中で、小島信夫『女流』から新年読み初め。去年『水声通信』小島信夫特集があったり、坪内祐三『「別れる理由」が気になって』が出たり、密かなブームかしら?と思っていたところに、『現代思想』の占領特集を読み返していたらすばらしい「アメリカン・スクール」論(M・モラスキー)もあって、気になり続けていたのです。にしても、この上ない「絶讃」をした河野多恵子の「解説」は、予言としては色々外れてしまっているのですが、本作が「恋愛小説」の傑作という意見には全く同感。この「草の匂い」は、身に沁みるようです。絲山秋子『海の仙人』も入れねばと思いつつあるものの、『女流』が私にとっての屈指の恋愛小説であることに変わりはない。

お正月にやっていた『千年の恋』をみる。キャストのこととか忘れていたのだけれど、天海祐希光源氏というのは、どこまでも納得。CMでみる常盤貴子もいいけれど、和服もいい。渡辺謙も、『SAYURI』見た後だと、もう、どうしようもないわね…… それにしても、最近時代劇をみるたびに言動のスピードが速すぎるのではないかと気になってしょうがない。だからって、時代考証できるのかどうかわからないし、今時の「商品」にならないかもだけど。