多木浩二に辿り着く

というわけで、ようやく多木浩二です。岩波現代文庫に収められた『「もの」の詩学』を読みました。初版をもっているという方には何だか申し訳ないですが、文庫で読めるのはとても嬉しいです。とはいえ、僕にしても『比喩としての世界』とか文庫になったら悲しいけれど。本書は、ひとまず記号論ということになっているようですが、「もの」を手掛かりに、身体を、空間を、そして政治を、歴史を読み解いていく、しかも1970年代の多木浩二の素晴らしい達成としかいいようがないです。